インフォメーション
朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:38日目【生産方式:PULL生産方式】
PULL生産方式で有名なのは、トヨタ自動車です。
新車の自動車を購入されるお客様は、1ヵ月や2ヵ月の納車を待ってくれます。
そのため、自動車産業は、PULL生産方式が採用できます。
PUSH生産方式は上流の生産管理や需給調整の担当から指示が流れましたが、PULLは逆に、倉庫や営業拠点から、工場の下流工程から上流作工程に指示が流れ、原材料の調達、作業開始のタイミングを指示するシステムです。
例えば、基準在庫と発注点を定めて、発注点を切ったら、補充を促す流れなどがPULLになります。トヨタのカンバン方式が有名です。
PUSH生産方式は、上流の生産管理や需給調整部門が在庫責任を持つことが多いですが、PULL生産方式では、在庫の維持管理に関する責任は下流組織(営業や倉庫)になります。
PUSHにしても、PULLにしても、在庫の責任を持つのは、発注や生産の指示をつかさどるところとなります。
たまに、カンバン方式を取りながら、在庫責任を上流工程(生産管理や需給部門)に置く事を聞きますが、コントロールできない部門に在庫責任を負わすのはかえって非効率な流れを作ります。
本来、PULLを選択した時点で、生産計画は原則必要なくなるものなのです。
PULL生産方式実施の前提条件は以下となります。
・定量在庫の決定と管理ができること(適正在庫を決めて日々変動しないですか?)
・生産種類や生産量の平準化ができること(生産のリードタイムに十分な時間がありますか?顧客は待ってくれますか?)
カンバン方式と言うと聞こえはよいですが、PULL生産方式を実現するには、上記の条件を満たすことは簡単ではなく、本来のPULL生産方式を実行できない企業は多いです。
PULL生産方式を実現する際には、「当社の顧客は納期を待ってくれるか」ようはお待たせして機会損失が出るか出ないかで、まずは判断されると良いかと思います。
また、中途半端に、カンバン方式が工場内にある場合、生産管理システムや生産スケジューラ導入の難易度を上げる場合があります。
ITシステム化を検討される際は、事前に、どの様な点を変更する必要があるか、システムと手動作業の切り分けを検討しておくと、システム導入が比較的スムーズに進みます。