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朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:48日目【SCMの組織体制とは(日本編)】
日本の組織体制の課題は、SCM部門や生産管理などトレードオフの判断をする部門が生産側や物流側に属する事が多く、全体への采配を振るう位置にいない事が多い。特に、営業部門に対する働きかけを出来る企業はそれほど多くない。製販会議がどの程度機能するかがポイントとなるが、オペレーション上で全体を仕切れる部門の存在が日本の企業には少ない。
日本企業は、現場が強いと良く言われますが、だからと言って、企業(部門)目標を現場に任せていれば自然とSCM全体への改善が進んでいくことはほとんどない。やはり、経営層がSCM全体への継続的な改革への目標(錦の御旗)を明確にして方向性を示す事は重要である。特に、グローバルで見えない範囲を取り扱う時や現代においては、世の中の変化のスピードから、経営環境変化が著しく変動するため、経営層の判断を仰いでいる時間的余裕もなく、SCM部門における現場での迅速な意思決定が必要となり、それに対応する組織体制が必要となるが、日本においてはまだ、この考えに基づく組織体制を組めている所は多くないのが現状である。
朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:47日目【生産スケジューラ導入の最重要事項とは】
生産スケジューラに限らないが、システム稼働の成否は、マスタが8割と言っても過言ではないだろう。
1、マスタの構成・整備(分かりやすい構成、複雑にしすぎないなど)
2、マスタの更新・運用(更新頻度や更新のしやすさなど)
この2点をしっかり理解、把握して進めないと、どんなに、素晴らしいシステム、ソリューションでもまともに動かない。
以下に、マスタ構成や運用において問題が起きた事例である。
・マスタ定義統一、マスタ集中管理(数量単位の統一):一部で詳細の定義ができなかった、統一しきれなかった
・BOM整備:各拠点の独自コードが残ってしまった、タイムリーに更新できない
・マスタ集中管理体制:作業の複雑化から作業量の増大
数年かけても解決しなかった企業もあります。
マスタ構成や管理体制をどう設計するかが、大きなカギを握っています。
特に、生産計画系は、詳細に計画しようとしたりしすぎるとマスタやBOMは複雑となり、マスタの修正や管理に膨大な時間がかかってしまったり、最悪は、更新ができなくなったり断念してしまう企業もあります。
事前に、自社で必要な管理項目を洗い出す事とそれに対するマスタの管理工数を踏まえて全体を決定していく必要があります。
朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:46日目【生産スケジューラ導入前に②】
生産スケジューラを導入する前に、各計画内容を整理しよう!
どの計画で何をするのか明確にておくことが大切です。
日本の計画立案では、何個も作るのは非効率との意識が働いて、中日程と小日程を一緒に実施する傾向が強い。
小日程の粒度(作業順序を綿密に立てる)で、数カ月先を検討しようとすると、エクセル表が複雑になり、時間もかかるし、担当者でないと分からないと言った事が起きる。
まとめて実施することでかえって非効率になっている場合があるので、見通しの生産計画策定に時間がかかる企業は、一度、基本的な計画種別に合わせて、自社がどうなっているか確認する事をお勧めします。
計画種別がごちゃごちゃの中で、生産スケジューラをはじめとするITシステムを導入すると、失敗する確率が高くなります。
事前に、整理の上で、自社がとの計画種別に力を入れるべきかを判断してから、それに見合ったシステムを導入することをお勧めします。
朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:45日目【生産スケジューラ導入前に】
生産スケジューラは、全体の中では下流に位置するので、上流の洪水を先に止めないと決めた仕様通りでは対応できなくなり、カスタマイズの連続となってしまう。
まずは、上流の洪水を止めてから生産スケジューラを導入する事でより大きな効果となる。
☆上流の洪水の要因としては
①変化が多く、情報が入り乱れて、最新情報か不明である
②各部門への連絡が、それぞれの部門で都度編集してから情報を渡すので連絡が遅くなる
③自部門で起きた変が、前後部門や工程、全体への影響が分からない
が主なところかと思います。
☆洪水を止めるには
①全部門(受注から生産・調達や物流まで)の全プロセスを見えるようにする
・つながりが見える、つながりの変化が見えやすくなる
・全体の中での自部門の役割が理解しやすくなる
・自部門の情報の変化が全体にどのような影響があるか理解しやすくなる
②全部門で同じ情報を見て会話が出来る状態を作り、同じレベル感で調整できる
・全部門で同じデータを見て、一緒に調整できる
・すぐに調整できる
・調整結果が、すぐに反映されて協議ができる
朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:44日目【生産スケジューラ導入失敗要因は②】
営業部門からの納期問い合わせ、急な追加受注や工場の設備故障による製造ライン停止、材料が入荷しないなど生産計画担当者には、日々、内部、外部の情報が入り、その都度、計画を見直さなければならない。
上流で起きた洪水に対処していようとするなら、生産スケジューラで解決は難しい。まずは、上流に堤防を築くことを先に進めてから生産スケジューラを導入しないと生産スケジューラで対処が難しい状態で、洪水が止まらない状態で、水を排水し続けなければならない結果となる。生産計画業務に時間がかかっていたり、属人化したりしている要因が、どの段階であるかで、発生しているかをよくよく確認しておくことである。どのシステムでもそうであるが、魔法の箱ではないし、適材適所があるのである。
システム導入までに、自部門の現状を分析しておくことが大切である。