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2022 / 09 / 03 06:56
朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:51日目【在庫役割分担】
正しい目標が設定され、役割が明確になっても、SCMでの組織全体のコンセンサスの形成は容易ではない
実行段階で組織間の抵抗に遭い、総論賛成・各論反対に陥り、最終的な結論が出ないまま過ぎてしまう事も多い。
この問題の背景には、2つの問題がある。オペレーション(実際の業務)では実行が可能だが、工場(部門)単位のKPIでは逆の動きになってしまうもしくは、取引先との間で取引慣行に抵触すると言った制度設計の問題とIT的にオペレーションを支援するインフラが整っていない「テクニカルな問題」である
サプライチェーンの課題は、1部門のよし悪しだけでは判断できないところが難しく、場合によっては、部門単位のKPIを覆す事になる。そのため、責任、権限、役割を明確にして、SCM部門に生産や在庫に関わる責任と権限をしっかり与える必要が出てくる。
特に、日本では、工場、製造部門の力が強いところが多く、SCMが機能しない理由の一つとなっている。そのため、SCM改革が、経営者のビジョンを明確にすると共に、相当の覚悟をもって取り組まないと成功に向かっていかないのである。一つの例として、在庫問題があるが、もう、20年も前から在庫問題が言われているが、日本では全く同じ議論が繰り返されている。この打破には経営者のSCMへの理解を深めると共に、覚悟持った改革を遂行するしかない。
また、最後に、SCM部門が他部門のKPIを覆す事権限を有する場合、その部門及び在籍する人員の評価をどうするべきか、これが大きな課題ともなる。これは、SCM改革を実行するときは、人事制度の設計も平行して、見直す事を是非、検討頂きたいと思う。