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2022 / 09 / 12  06:00

朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:60日目【メーカーにおける生産計画と在庫管理能力】

朝活100本ノック /生産計画・在庫管理改革:60日目【メーカーにおける生産計画と在庫管理能力】

日々の発注に対応した生産を目指す為、通常は生産に必要な原材料や部品の調達、設備の段取替えや作業員の状況について検討する。そして、必要な期間(3ヵ月や1ヵ月)の需要予測を実施し、それにもとづいた販売計画を立案し生産計画のインプットデータとなる

ここで需要予測の結果を直接、生産計画に用いないのは、販促におけるイベントの実施や商品の改版や新製品の投入といった過去のデータからは予測できない値を踏まえた数値にもとづいた生産をする必要がある

一つの大きな例としては、2008年のリーマンショックの影響にいる急激な需要の落ち込みの事例がある。急激な需要の変化に対応するためには、生産計画の見直しサイクルが重要である。3ヵ月間まったく生産計画を見直さないのと、1週間ごとに生産計画の見直しを行うのとでは、需要量の変化に対する対応が大きく異なる

下図は、リーマンショック(2008年)の自動車メーカーの在庫の変動を表したものである。図中の横軸は四半期の在庫回転期間、縦軸は当期と翌四半期との在庫回転期間の差を示している。そして、記号内にある数値が、該当する四半期を表している

図から○社は、第1四半期から在庫管理基礎力が高く、在庫回転期間が他社より短い状態であった。その後、リーマンショックの影響により急激に需要が減少した際にも生産量をただちに調整したと考えられ、在庫回転率に大きな変動を与えていないことから、過剰な在庫を大量に抱えなかったと推察できる。このことから、○社は、需要の変化への対応力も高く、適切な在庫管理能力を有していると考えられる。

一方、△社や□社は、○社よりも在庫回転期間が長く、特に、在庫の変動が大きい、つまり、需要の変化への対応力が低いと考えられる。

現在は、スマートフォンの普及からSNSの利用が飛躍的に増加し、情報伝達が当時よりも速くなっている。したがって、特に消費財では需要の変動が激しくなっており、需要予測の精度を向上させるとともに、生産計画の見直し期間を短くし、需要の変化への対応力をたかめることが重要となっている。

生産計画の見直しを短サイクルで実行するためには、計画の修正に伴う部品調達(サプライヤーの協力)や作業員のシフト(製造ラインの協力)などの迅速に変更が行える体制を構築する必要がある。これらの体制が構築されれば、生産量を需要量に合わせて柔軟に調整することが可能となり、収益性の向上が望めるが、体制を構築しないまま短サイクルを実施すれば、生産計画担当者の負荷が増加するだけでなく、サプライヤーや製造ラインへの過度な負担を強いられたり、場合によっては、不必要な在庫が積み上がる結果となる。

 

2024.04.26 Friday